• アンサンブル紹介リレー・その24

    Date: 2012.09.06 | Category: アンサンブル紹介 | Tags:

    こんばんは。カーテン豪雨が通過中の、茅ヶ崎からお届けします。
    本日ご紹介する作品はこちら!

    水の記憶
    CEM-037
    水の記憶 / 加藤大輝(打楽器4重奏)
    定価4,200円(税込)

    今夏、新作打楽器3重奏「虹の戦士」も発表した、加藤大輝による打楽器4重奏です。
    この曲は、「小川佳津子&ステラ21」からの委嘱によって書かれた作品で、提示されたのは「なるべくスクールバンドにある楽器を用いて」「なおかつやりがいのある曲を」というオーダーでした。そのようなわけで、「そんな楽器、聞いたことないな??」といった楽器は、少なくなっていることと思います。その中において唯一珍しいと思える楽器「チャフチャス」については、加藤氏が詳細ページにも掲載している解説文で述べていますので、そちらをご参照下さいますようお願いいたします。

    CAFUAのアンサンブル楽譜には、必ず欧文題が併記してあります。
    「水の記憶」の欧文題は…memory of water、と思いませんでしたか?
    私はそのように思ってしまいましたが、実際にはmemoryではなく”Reminiscence”という単語が使われています。
    辞書を引いてみて下さい。「記憶」という意味合いに関しては、memoryもReminiscenceも同じように記載されていますが、Reminiscenceで特徴的といえるのは、「回想。追憶」という意味があるところではないでしょうか。

    memoryとReminiscenceがどう違うのか? 正直なところ、英語のスペシャリストでもなく、加藤氏にこのことについて尋ねたことのない私には、作曲者の真意は分かりません。しかしこれは、作曲者からの問いかけであり、作曲者から与えられた「その問いについて考えるチャンス」ではないでしょうか。

    また、別の話題ではありますが、
    打楽器という楽器群、あるいはその演奏をする人は、楽器の音だけでなく空間を操っている、空間を奏していると思う時があります。他の楽器にそれがないわけではありませんが、よりその傾向が強い気がします。

    この「水の記憶」を演奏される際は、特に「間」や「空間」「space」といったものを強く意識してみると良いかもしれません。

    本日の記事では作品の中身そのものにほとんど触れていませんが、内容については商品詳細ページに詳しい解説文を掲載しておりますのでそちらをご確認下さい(すみません)。
    打楽器4重奏「水の記憶」は、こちらのCDに収録されています。

    164-9.jpg
    CACG-0174
    パーカッションアンサンブル邦人作品集2
    演奏:小川佳津子&ステラ21
    定価2,800円(税込)

    打楽器のアンサンブルがもりだくさんの一枚です。ぜひ併せてお楽しみください。

    楽譜事業部 高橋