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真実に響くアトリの鐘

イタリアのアトリという小さな町での昔話です。
ある日、王様の命令で大きな鐘が町の広場の塔につるされます。
争いごとやつらいことがあった時、この鐘を鳴らすとすぐに町の裁判官が来て、何が真実かを決めてくれるのです。
この鐘のおかげで、町の人は毎日楽しく過ごせるようになりました。
その鐘がつるされてから長年の月日がたったころ、金儲けのことばかり考える金持ちの意地悪な飼い主に餌をもらえず、やせほそった馬がアトリにやってきました。
そのウマはヨロヨロしながら、やっとの思いで町へたどりついたのでした。
そして広場の塔の下まで来ると、つなのかわりに下がっていたブドウのつるの葉を、ムシャムシャ食べ始めたのです。
ウマが食べるたびに、鐘が、ガラン、ガランとなりました。
町の人たちも裁判官も広場に飛んできて、そのウマを見ました。
「かわいそうに、こんなにやせている」
「ウマは口がきけないから、鐘をならして、つらいことをうったえているのだ」
すぐに飼い主だった金持ちが、広場によばれました。
金持ちの男の人は、ブドウの葉を食べているウマを見ているうちに、胸がいっぱいになり、自分の醜い心に気付き、その後は馬と一緒にいつまでも仲良く暮らしました。

'正しさの鐘'がかつての優しい心を取り戻したのです。
そんな心暖まるお話と真っ直ぐな心を子供達へ…という思いをこめました。

この曲は柏市立酒井根中学校の委嘱作品です。
(樽屋雅徳)
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