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魔法のパルチード・アウト

レンタル グレード4
魔法のパルチード・アウト
商品名 魔法のパルチード・アウト
商品コード 1123
価格 35,750 円(税込)
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■楽曲解説
委嘱時に、「ラテン」という大きなテーマがあった。一般的なラテン音楽は、大衆音楽故に、旋律とリズムに重きが置かれている。ジャズアプローチなどの手法でアメリカナイズされた編曲により、時に刺激的な和声も用いられるが、作曲の初期段階でのラテン音楽は、本来、誰でもすぐ歌えるような様式の最もポピュラーな音楽であり、それ故にアレンジにおける、わかりやすすぎるくらいの各楽器の「音選び」も特徴のひとつであろう。
 今回、大衆的であることを適度に捨てた。メロディーに強過ぎる主張はない。しかしながら、好きなブラジル音楽の、最もポピュラーなビートである「パルチード・アウト」というリズム構成で楽曲を押し切ることにした。「パルチード〜」はサンバの歴史における、その基本形リズムのひとつであり、例えば、両手でヒザの上や机をこのリズムで叩き始めたら、永遠にこのビートのトランス軌道に“ノッて”いけるようなもの。
 ベーシックのそれを、時に7拍子に変形させ、それなりのコンテンポラリーな和声を伴わせ、次に細かく単純な別のモチーフが追加、展開され、更に広く大きな流れを持つ2拍3連系のメロディーが続々と追奏され、それが新たな和声進行や対旋律を導き出すことで次々と山や谷を作り、それらが混在したまま曲は進んでいくから、楽曲は即興的であるといえる。同じくサンバの原型のひとつであるブラジルのショーロなどにもいえるが、大衆音楽の中にあって、歌とリズムが即興的に発展してきた非常に自由な音楽群のエッセンスが、この楽曲の無意識的な下敷きとなっている。
 日本人である以上、民族音楽のみならず、西洋音楽を軸としたその周辺の全ての音楽に対しての本格的解釈、全面的理解は、正直難しさもある。けれども、それでも少しでも本質を探っていくことで、一歩進んだ音楽と心の共有が産まれ、それが楽しさにつながっていくことは間違いない。作曲家の視点でいうなら、わかりやすさだけでも難しさだけでもなく、音楽的素養の本質と深みを持って作曲に臨む責任があると強く思う。それは今回、委嘱作曲の声を掛けていただいたことへの深い感謝の気持ちと、吹奏楽の世界に対する真摯な想いと、これからの自らへの課題、大いなる挑戦、決意であると考えている。

■演奏のポイント
打楽器奏者のみならず、演奏者全員がこのベーシックビートを常にカラダの中に染み込ませておくと、絡み合う楽器同士のフレーズの意味が理解でき、ビートは踊るように活きてくる。
しかしながら、打楽器奏者がバンドのグルーブを司る意志を、ハッキリと提示すること。音量が大きくなるということではなく、pやmpであっても、骨格となるのは正確でかつ、積極的で生命力のあるリズムである。(光田健一)

編成表
■光田健一 プロフィール
Euphoniumを担当し、部長を務めた吹奏楽部が、オーストリアのウィーン青少年音楽祭にて六位入賞、特別賞受賞。和声、対位法を南弘明、谷中優両氏に師事。1986年、東京芸術大学音楽学部作曲科入学。同時にジャズピアニスト、作編曲家、キーボーディストとしてプロ活動を開始。魅力的な和声と対旋律の構築手法が音楽家の厚い信頼を受け、石井竜也、渡辺美里、江原啓之(Bar)の音楽監督・編曲を担当。新日本フィル、大阪センチュリー交響楽団、広島交響楽団、名古屋フィル、関西フィル、読売日本交響楽団など多くのオーケストラと競演。

シンガーソングライターとして、1995年にアルバムデビュー以後、計20タイトルを超えるCD、DVD作品を続々と発表。『♪ピアノうた』=『光田健一の弾き語り』とし、全国ツアー公演を毎年敢行。2011年、『ピアノびと』=『ピアニストの光田健一』として、ピアノソロアルバムを発表し、各方面で好評を博す。最新作は、ニューアルバム「HIKARI no SATO」(2012)。

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