【曲目解説】
1992年第3回朝日作曲賞受賞作品、1993年全日本吹奏楽コンクール課題曲。タイトルの中に出てくる「ターンブル(Turnbull)」とはイギリスにある地名ですが特定の場所を示すものではなくその語感が好きで命名したものです。
曲はオーソドックスな3部形式(A - B - A)の行進曲で、A はさらに3つの部分に分かれています。イントロのファンファーレに続き第一テーマはTuttiで奏され、それに続くホルン(サクソフォンを伴う)と木管のメロディーによる中間部から再び始めのTuttiによるテーマへと続き前半を閉じます。中間部 B は静かな木管によるテーマが出てきます。そのテーマは繰り返されながらだんだんと音量が厚くなり、それに続くクライマックスは全パートが全開になります。そして再び最初の A に戻り長めのエンディングによって曲を閉じます。
今回新たに楽譜を出版するにあたって若干演奏をしやすくした以外はオリジナルの楽譜にできる限り忠実にと思い変更はほとんど加えませんでした。当初少しでも多くの機会に多くのバンドによって演奏してもらうために全編に出てくる金管楽器のタンギングをダブルにするかトリプルにするかで随分悩んだことをよく覚えています。
演奏に際してはメロディーライン、オブリガート、和音、リズム等各楽器セクションの役割が明確になっているので、それぞれのパートは迷いなく演奏してください。また本来行進曲は曲の初めから終わりまで一定のテンポを維持すべきものですが、コンサートのプログラムとして演奏される場合、自然発生的な範囲での多少のテンポの変化はむしろ望ましいと思い多少の変化を書き加えました。(川辺 真)
■川辺 真 プロフィール
静岡市に生まれる。武蔵野音楽大学作曲科を経てアメリカ・イーストマン音楽院大学院を修了。その後ロスアンジェルスに移り南カリフォルニア大学で現代音楽とフィルム・スコアリングの研鑽を積み、シアターピースの音楽監督兼ピアニストとしてキャリアをスタートさせる。アメリカにおいて、ウインドアンサンブルの作品「Antiques」がハワードハンソン賞、マリンバのための作品「プレリュードとフーガ」がPAS賞を各々受賞する。
帰国後母校で教鞭をとりつつ作曲活動をスタートさせる。作品は「Ever Green」(マリンバ独奏)、「Three Echoes of Ancient Beats」(サキソフォンと打楽器アンサンブル)、「日本のメロディーによる3つのエチュード」(木管五重奏、サクソフォンカルテット)、「希望岬にて」(吹奏楽)等のほか、映画、テレビアニメ(うる星やつら、キン肉マン、トラップ一家物語、銀河英雄伝説)、ウルトラマングレート、旅の好きなあなたに「NHKみんなのうた」、またシアターピースとして「今様膝栗毛」(2009国民文化祭オープニング)などがある。
2021年には個展「森のささやき」を開きコンサート活動を再開する。武蔵野音楽大学名誉教授、日本音楽著作権協会、日本作曲家協議会会員。
毅然と勇ましいトランペットとホルンのファンファーレ、耳馴染みのするメロディー
「ウルトラマン」などの劇音楽で活躍した作曲者が渾身の力で描いた至極のマーチが蘇ります。
【曲目解説】
1992年第3回朝日作曲賞受賞作品、1993年全日本吹奏楽コンクール課題曲。タイトルの中に出てくる「ターンブル(Turnbull)」とはイギリスにある地名ですが特定の場所を示すものではなくその語感が好きで命名したものです。
曲はオーソドックスな3部形式(A - B - A)の行進曲で、A はさらに3つの部分に分かれています。イントロのファンファーレに続き第一テーマはTuttiで奏され、それに続くホルン(サクソフォンを伴う)と木管のメロディーによる中間部から再び始めのTuttiによるテーマへと続き前半を閉じます。中間部 B は静かな木管によるテーマが出てきます。そのテーマは繰り返されながらだんだんと音量が厚くなり、それに続くクライマックスは全パートが全開になります。そして再び最初の A に戻り長めのエンディングによって曲を閉じます。
今回新たに楽譜を出版するにあたって若干演奏をしやすくした以外はオリジナルの楽譜にできる限り忠実にと思い変更はほとんど加えませんでした。当初少しでも多くの機会に多くのバンドによって演奏してもらうために全編に出てくる金管楽器のタンギングをダブルにするかトリプルにするかで随分悩んだことをよく覚えています。
演奏に際してはメロディーライン、オブリガート、和音、リズム等各楽器セクションの役割が明確になっているので、それぞれのパートは迷いなく演奏してください。また本来行進曲は曲の初めから終わりまで一定のテンポを維持すべきものですが、コンサートのプログラムとして演奏される場合、自然発生的な範囲での多少のテンポの変化はむしろ望ましいと思い多少の変化を書き加えました。(川辺 真)