• コンクール全国大会を“予習”しよう!-中国支部編

    Date: 2016.09.01 | Category: 未分類 | Tags:

    こんにちは。
    先頃より全国各地で地区大会、都道府県大会が行われてきた全日本吹奏楽コンクールも、次第に各支部から全国大会への出場団体が決まりつつありますね。
    10月に行われる全国大会のチケットは入手が非常に困難で、出演関係者のみならず、吹奏楽人の皆さんの関心の高さがうかがえます。

    このように多くの方が熱い関心を寄せる全国大会、そこで演奏される作品を“予習”しておけば、当日はきっとより深く演奏を楽しめるはず!ということで、今日から全国大会が始まる前まで、全国大会で演奏される作品が収録されているCAFUAレーベルのCDをご紹介させて頂きたいと思います。どうぞお付き合いくださいませ!

    ご紹介は支部別に行っていきたいと思います。本日は中国支部代表団体の演奏作品からピックアップしてご紹介させて頂きます。まずはこちら!

    TITAN
    創価グロリア吹奏楽団

    「TITAN」
    指揮:佐川聖二

    収録作品の鈴木英史「カントゥス・ソナーレ」を、広島県の府中町立府中緑ヶ丘中学校吹奏楽部が全国大会のステージで演奏します。
    “カントゥス”は歌、“ソナーレ”は響きという意味を持っています。
    創価学会音楽隊結成50周年に創価グロリア吹奏楽団から委嘱された作品で、“全と個の調和の愛”という抽象的かつ哲学的なテーマのもとに書かれています。
    “個”は歌、“全”は響きというふうにも考えられ、府中緑ヶ丘中学校吹奏楽部がどんな“調和の愛”を聞かせてくれるのか、とても楽しみですね。
    続いてはこちら。

    パガニーニ
    光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部
    「長生淳 パガニーニ・ロスト イン ウィンド」
    指揮:日野謙太郎、仲田守

    全国大会では島根県の出雲北陵高校吹奏楽部が演奏する、「パガニーニ・ロスト イン ウィンド」が収録されています。
    もともとは、須川展也氏の委嘱による2本のアルトサクソフォーンとピアノのための作品だったものを、更に東京佼成ウインドオーケストラの委嘱で吹奏楽に再編された作品で、プロのための作品というだけあって技術的難易度はかなり高いものとなっています。
    パガニーニの“24のカプリス”の終曲をモチーフとして用いていますが、その使い方は抽象的かつ象徴的で、「失われた大切な“なにか”を追い求めるように」という作品の意図の、“なにか”の解のひとつのようにもなっています。
    浮遊と落下のあいだ、無段階のスピード感の変化にも注目です。

    3曲目はこちらのCDから。

    燦
    東海大学付属第四高等学校吹奏楽部&春日部共栄高等学校吹奏楽部
    「燦」
    指揮:井田重芳、都賀城太郎、中村俊哉

    全国大会では岡山県の倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニーが演奏する、保科洋編曲による「バレエ音楽 白鳥の湖より」が収録されています(このCDでは東海大四高《現在は東海大学付属札幌高校》が単独で演奏)。
    三年連続の全国大会出場を記念し、2011年9月にサントリーホール大ホールで行われた合同演奏会をライブ録音したCDで、ホールの響きとアレンジ、演奏が相まって、いきいきとしたバレエ舞台のイメージが広がる演奏をお聴き頂けます。
    コンクールの制限時間の中で、どの部分が演奏されるのかということも気になりますね。

    それでは4曲目に参りましょう。
    ハーリヤーノシュ
    龍谷大学学友会学術文化局吹奏楽部
    『コダーイ 組曲「ハーリ・ヤーノシュ」』
    指揮:若林義人

    スパイラルハーツ
    東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部(vol.10)
    「スパイラル・ハーツ」
    指揮:畠田貴生

    これら2タイトルのCDの、いずれもファーストトラックを飾っているクロード・トーマス・スミスの「フェスティヴァル・ヴァリエーションズ」は、岡山の岡山学芸館高校吹奏楽部が演奏します。その難しさと華やかさはいわずと知れた作品ですが、演奏団体が違うとやはり違った音楽が生まれるものです。龍谷大学の軽快かつ軽妙、繊細なニュアンスで遊び心を感じさせる演奏と、高輪台高校のはつらつとして圧倒的な勢いを持ちながらも、表現への工夫が随所に感じられる演奏を聴いたところで、「全国大会ではどんな演奏が?」と期待が高まります。

    本日最後のご紹介はこちらのCDから!

    0251
    神奈川大学吹奏楽部
    『R.シュトラウス 楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り』
    指揮:小澤俊朗

    タイトル作品となっている『楽劇「サロメ」より 7つのヴェールの踊り』を、全国大会では島根県の出雲市立第一中学校吹奏楽部が演奏します。
    “官能と陶酔”とよく表現されますが、いいようもなく惹きつけられる魅力がある一方で誰もが目を背けたくなるような(いわゆるドン引きの)描写があり、繊細でいて大胆、エキゾチックでやさしく幻想的と思わせて残虐…など、それが持つ要素が多種多様、あるいは複数の矛盾を孕んでいて、これをどうまとめ、どう聞かせてくれるのか、気になるところです。
    CD収録の編曲はきたる全国大会で演奏されるものとは異なりますが、まずは“予習”としてお聴き頂ければと思います。

    さて、いかがでしたでしょうか。すでにCDをお持ちの方はこれを機にもう一度、お持ちでない方はぜひCDを入手して、聴いてみて頂ければと思います。
    「カントゥス・ソナーレ」「パガニーニ・ロスト イン ウィンド」など、CAFUAレンタルライブラリー取り扱い作品については、POST de スコアなどを見ながらさらにじっくりと“予習”することも可能です(しかもPOST de スコアとCDを同時に注文するとCDが30%オフで買えます!)。
    次回は九州支部編をお届けする予定ですので、どうぞお楽しみに!