• 秋のレンタル楽譜紹介②“The Courage”~真の勇気とは~

    Date: 2013.09.10 | Category: レンタル楽譜紹介 | Tags:

    こんにちは。シリーズ第2回目となる本日は、21世紀の吹奏楽「響宴XII」で下谷奨励賞を受賞した、こちらの作品をご紹介します。

    真の勇気とはL
    “The Courage”~真の勇気とは~ / 小長谷宗一
    演奏時間:約8分
    レンタル価格:30,450円(税込)

    勇気と訳される英語は、“Courage”のほかに“Bravery”等がありますが、行動にフォーカスした“Bravery”に対し、“Courage”を用いて、より「精神的なもの」を意図しています。
    イメージは、武士道や騎士道の、「凛として誇り高い、真の勇気」です。

    この曲の誕生には、当初マーチングバンドのための楽曲として委嘱され(平成18年に山口県で行われた国民文化祭のマーチング部門より委嘱)、それを聴いた方が吹奏楽のバンドでも演奏したいと小長谷氏に要望し、シンフォニックバンドバージョンが生まれた…という経緯があります。
    このような流れもあって、バンドの形態・サウンドともに、マーチングバンドとシンフォニックバンド、両方の特徴をもつ作品となっています。
    特に打楽器のパートは、クラシカルな打楽器群、マーチングパーカッション、ドラムセットも用いて活躍していますので、ぜひチェックして頂きたいところです。

    楽曲は<序><憂い><葛藤><矜持>の4つの部分からなり、<序>ではそれぞれにディヴィジした4つのトランペットパート(計8つに分かれます)がファンファーレを奏でます。

    続く<憂い>では、Fマイナーのメロディーをまずクラリネット・サクソフォーン・ホルンなどの中音楽器で奏し、2度目には高音木管がメロディーに加わります。同時に、低音楽器が四分音符で動き始め(さながら歩くといった風情です)、トランペットの合いの手も加わります。

    <葛藤>は4ビートのカウベルが全体をリードし、打楽器と低音楽器群が中心になって特徴あるリズムパターンを作ります。Piu mossoとなる後半では、強い4分打ち、さらに2拍3連のリズムが全体に伝播していき、まるで精神が葛藤に追い詰められていくようです。
    特に、このパートの最後に全員で2拍3連リズムを演奏するところは2小節でも4小節でもなく「3小節」となっており、独特の緊張感を醸し出しています。

    最後のパートとなる<矜持(きょうじ)>。国語辞典を引けば、「誇り、プライド」などという言葉も見つかります。
    アルトサクソフォンからトランペットへとソロが引き継がれ、さらに変形したメロディーがゆったりとバンド全体に広がっていきます。
    サウンドが広がると同時に展開されていくのが、からりと乾いた音が心地よいマーチングパーカッション群。歯切れの良いそれらの音は、まるで夜空いっぱいにあがる花火のようです。

    マーチングとシンフォニックバンドの特徴をあわせ持つこの作品は、吹奏楽とマーチングの活動を同時展開している団体の方や、マーチングバンドと吹奏楽団の合同演奏などにもおすすめです!
    華やかさと同時に精神的な深さも問う楽曲で、聴衆に楽しさと感動を届けることが出来るでしょう。
    演奏は、21世紀の吹奏楽「響宴XII」(ブレーンミュージック BOCD-7484-7485)に収録されています。

    そして、この度新たに、小長谷作品が“POST de スコア”のラインナップに加わります!
    A4版のスコアを、1曲1,500円で15日間閲覧できるというこのサービス。ぜひ、選曲などにお役立て頂きたいと思います!
    小長谷作品の“POST de スコア”サービスは、近日スタート予定!!

    さらにCAFUAレンタルライブラリーでは、下記小長谷作品も取り扱っております。

    <アンサンブル作品>
    綴れ織for Flute Trio(フルート3重奏)
    ブラスアンサンブルのための音楽「子供の街」(金管8重奏)
    幻影 全3楽章(金管8重奏) ※第1・第2楽章と、第3楽章に分けてのレンタルも可能です

    <吹奏楽作品>
    前奏曲「翔きの瞬間(とき)」(グレード3+、約6分)
    パシフィック セレブレーション マーチ(グレード3+、約4分)リリックマーチ(グレード3+、約5分)
    Six Sticks for Three Snare Drums and Band(グレード3、約3分)※ソロスネアドラムは4+

    アンサンブルコンテストにおすすめの室内楽曲と、キャラクター豊かな吹奏楽作品が揃っています。ぜひこちらもチェックしてみて下さいね。
    次回もどうぞ、お楽しみに♪

    楽譜事業部
    高橋